今はタイミングが悪いけど、機が熟すのを待って行動に移したい、

そんな状況をどう英語で表現するか考えてみましょう。

 

よく「wait for opportunity to present itself」なんて言い方を聞きますね。

どちらかというと、Don’tを文頭につけて、

「Don’t wait for opportunity to present itself(チャンスがくるのを待つのはやめましょう=自分からチャンスを掴みにいこう)」という使われ方が多いようです。

 

今日紹介するのは「bide one’s time」というフレーズです。

2つの使用例を紹介しますが、今回はどちらも「ブレイキング・バッド」からです。

1つ目のシーン:クレイジー・エイトを監禁しているウォルトとジェシー。クレイジー・エイトは、ウォルトが嗅がせた薬品のせいで気を失ったままです。

でも彼を恐れているジェシーは、もしかしたら気を失ったふりをしてチャンスをうかがっているのかも、と考えています。

Jesse: Yeah, but what if he’s faking it? You know, like, if it was me, I’d be all faking being knocked out, yo. And then, when the coast is clear, I’d be up looking for weapons and shit. Ready to pounce.(わかるけど、気を失ってるふりをしているとしたら?だって俺だったら、気を失ったふりをするね。そして、誰もいなくなったのを確認してから武器になるものを探す。戦う準備さ)No, see. Now, if it was me… …and I couldn’t find a decent enough weapon…I would just lie back down and bide my time.(で、俺だったら、まともな武器が見つからなかったら、そのまま気絶したふりをして、機が熟すのを待つね)

ここで出てくるwhen the coast is clearも面白い表現ですね。「周りに誰もいないことを確認したら、安全だということを確認したら」という意味のフレーズです。この表現はもともと、船で密輸する人たちが、警備が沿岸からいなくなるのを待つ、というところからきたそうです。

 

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話が横道に逸れましたが、2つ目のシーンを紹介します。

2つ目のシーン:ウォルターの正体に気づいたスカイラーは、子供をウォルターから遠ざけようと必死ですが、ウォルターがそれを許しません。二人が口論しているところです。このシーンのスカイラ―のセリフが衝撃的で、ネットでも評判になっていました。

Skyler: Walt. I don’t know what to do. I’m a coward. I—I can’t go to the police, I can’t stop laundering your money, I can’t keep you out of this house, I can’t even keep you out of my bed. All I can do is wait. That’s it, that’s the only good option. Hold on. Bide my time. And wait.(どうしていいかわからない。私は臆病なのよ。警察には行けない。あなたのための資金洗浄もやめられない。あなたを家から追い出すこともできない。それどころかベッドから追い出すことすらできない。私にできるのは待つことだけ。それが私に与えられた唯一の選択肢。ただじっと、その時がくるのを待つだけ。)

Walter: Wait for what? What are you waiting for?(何を?何を待っているんだ?)

Skyler: For the cancer to come back.(あなたの癌が再発することを)

 

この「癌が再発するのを待つ」という、どれだけ相手を傷つけるか考えたら普通は絶対に言えないようなセリフを言ってしまうほどスカイラ―が追い詰められているのがよくわかるシーンです。

ブレイキング・バッドは何度観てもしみじみよくできているなぁと感心するくらい、ストーリーもセリフも演技も最高です!

観ようかどうか迷っている人には絶対にお勧めです 😀